最後はこの作家、綿矢りさ さんです。
生地屋のブログなので、名前に「綿」がついてるだけでもふさわしいのに、
作中には洋服もたくさん出てきます。
世間には野球好きがまだまだいるようです。
この本は2016年から2020年までのNPBのネタを織り交ぜたライトミステリーです。
著者がヤクルトファンのようで、主人公は燕党の親子刑事なのですが、
謎を解くのは謎のカープ女子です。
児童書。不登校の小学生が、自分の居場所を求めて図書館を訪れ、通うようになり、職員や同じく不登校の中学生や職員の人などと交流するうちに少しずつ強くなっていく。最後もよかった。
今年も何冊か本の紹介をしたいと思います。
まず、最初は『赤と青のエスキース』です。
全体的に優しい感じの物語。読後感もスッキリと良い感じでした。
終盤になってようやくタイトルの意味や、この人はあの人だったのか、
と明かされて全体の印象が変わっていく。
途中で止めるとわからないので、読むならぜひ最後まで。
生地屋なので、本業に少しでもかかわりありそうな本も紹介します。
いわるるキャラクター文庫に分類される本です。
特に仕立て用の生地が収まった奥の大棚はひときは立派である。宝の山だ。
生地と糸の匂いって最高ーいくらでも吸っていられる。
主人公が初めてテーラー・ランタナを訪れた時の描写です。
短編集なので、あまり本を読まない人でも読みやすいかもしれません。
連作短編ではないのですが、あの話のあの人が別の話に少し顔を出していたり、
最後の話と最初の話がつながっていたり、ダークでゾワゾワする話もあるけど、
話の最後にひっくり返るようなところなど、飽きずに一気に読み進めてしまった。
最近読んだ中では断トツで重いと言うか、ツライ作品。
読んでいる人をこんなに、重く辛い気持ちにする文章力はすごい。
このまま終わったら嫌だなと思っていたら、最後に少し光が射して救われる。
昨年もこの時期に最近読んだ本を紹介していましたので、
今年も2023年版として紹介していきたいと思います。
本屋大賞を受賞している作品。機会があればぜひ読んでみてください。
どうかその声が誰かに届きますように。
優しく受け止めてもらえますように。
最後のページの一文です。
内容を少しだけ・・・
義父の介護をする貴瑚、母親からムシと呼ばれる少年が最後には前を向いて生きていく話。
タイトルにある52ヘルツのクジラは 世界に一頭だけいる52ヘルツの鳴き声を持つクジラが、いくら仲間のクジラに話しかけても仲間には聞こえないという事から、「苦しい、助けて」などのSOSの声が誰にも届かないとこらからつけられています。 話の最後は希望を込めて・・・
だからお願い。
52ヘルツの声を、聴かせて。